売上・利益に関する問題を成果軸で解決する

前回の記事現場の問題を「売上・利益」、「コミュニケーション」、「組織全体」、「人」の
3つの視点で整理しました。また、それぞれ、問題解決に関するキーワードとして、
「成果」、「連携」、「設定」、「期待」というものを上げました。

今回からそれらの問題とキーワードがどう関係しているのか、
なぜキーワードが必要なのか説明いきたいと思います。
今回は①「売上・利益」に関しての問題解決です。

売上が上がらない、それに関連して利益が安定しないといった課題は
どの企業もどこかのフェーズで上がったことはあるはずです。
創業期は特にそうですし、業界的な変容や競合の出現によって
業績が不安定になることもあります。
 
よく問題と原因としてよく挙げられるのが、
◯商品・サービスの差別化ができていない
  ⇒主に質と価格とスピード
◯営業力がない
  ⇒スキル不足、人員不足、仕組みがない
◯コストが掛かりすぎている
  ⇒意識の欠如、体制上のムダ
といったものです。
 
これらの問題を成果というキーワードで解決策を導きだしていきます。
成果を何で設定するかがポイントになります。
売上・利益など数字として明確な成果が把握できる場合は、
解決策も成果を軸に決めていくと効果的です。
 
例えば、
商品力強化では、商品も質がいい・早い・安いを数値化し、
何をどれくらいのスピードでやるのか、どれくらいの満足度を得たいかを
成果の軸に対策を決めていきます。
営業力がない原因もスキル不足に関しても
何をどれくらいやっているかという行動量を成果としてを数値化し、
改善策を打ち出します。
特に数字で表現できる施策がベターです。
 
組織の問題は複雑に絡み合い、一概にこれですべて解決と
いえない部分もありますが、大抵の場合、成果軸で施策を決定し、
解決効果を検証することが抜けがちです。
 
次回は、「コミュニケーション」の解決策を「連携」というキーワードで
考えていきたいと思います。
 

現場で起こりがちな問題とその対策

コンサルティングの現場で、様々な現場で起こっている問題を
抽出すると大きく共通するテーマが上がってきます。
その問題を下記の複数の観点で整理していきたいと思います。
 
<売上・利益に関する問題> ※成果
◯商品の差別化ができない
◯営業力がない
◯コストがかかりすぎている
 
<コミュニケーションに関する問題> ※連携
◯部門間で情報共有ができていない
◯階層間で意思疎通ができていない
◯報告・連絡・相談が徹底されていない
 
<組織全体に関する問題> ※設定
◯ビジョンが不明確である
◯ルールが不明確である
◯各部門・役職の役割が不明確である
 
<人に関する問題> ※期待
◯モチベーションが低い
◯業務遂行に必要なスキルが身についていない
◯いい人材が採用できない
 
みなさんの組織でもこのような問題が発生しているのではないでしょうか。
現場の課題を設定する際に、上記のように問題点を洗出し、
原因を探り、解決策を決定します。しかし、その原因分析をおこなって
いくと、複雑に問題が絡み合い、優先順位がつけにくい状況がなるのでは
ないでしょうか。そのため、問題解決に時間がかかるようになってしまいます。
 
次回はそのプロセスをどのように行っていけばよいかを考えていきます。
※印のキーワードをベースに考えて、よい解決策を導き出すヒントを
お伝えしたいと思います。

仕事の進め方を改めて見直す

研修でも、コンサルティングの現場でも仕事の進め方が問題として
あがってくることが非常に多くあります。納期の遅れたり、仕事の質が
上がらない、ミスやムダが発生するといった問題は仕事の進め方に
原因があると考えられます。
 
どのように仕事を進めていくと、スピーディーに高い質の仕事ができるようになるか
整理していきたいと思います。
※仕事の進め方といっても解釈が幅広くなるので、今回は段取り部分を中心に考えていきます。
 
仕事の進め方も同様で行動と思考ベースで特徴を捉えていくことが重要です。
 
◯目的の明確化にする
  ⇒何のために?誰のために?どうなればいい?を5W 1H具体化する
  ⇒依頼された仕事の目的を必ず言葉にする(言われたままではダメ)
  ⇒先の先の結果まで想定した目的を見出す(目的の検証)

◯全体像の見える化する
  ⇒タスクの洗出し、役割分担、全体スケジュールを作成し、関係者に共有する
  ⇒各タスクのアウトプットイメージを明確にする

◯ 進捗管理・調整をおこなう
  ⇒チェックの頻度を増やすこと
  ⇒改善と調整は早めの報連相で対応する
 
大きく分けてこれらの3つの観点を抑えておくと、大きな問題は発生することは少なくなります。
目的の明確化は仕事の質を高め、ムダを無くし、全体像の見える化は
関係者との認識のブレを無くし、進捗管理は計画と現状のギャップを無くすことができます。
 
人それぞれ、できている部分とできていない部分があるかと思います。どちらにしても
これらの3つの観点の緻密さを高めていくことが、仕事をスムーズに進めることになりますので、
改めて意識的に抜けがちな観点を見直してみてはいかがでしょうか。

問題解決はスピードとマインドが大切

業務遂行において、問題解決をおこなう機会は多くあります。
コミュニケーションの不足、進捗の遅れ、トラブルの発生、モチベーションの低下など
どの組織でも頻繁に挙げられる問題が存在し、その解決が求められます。
問題をよく「あるべき姿と現状のギャップ」と定義されますが、
広義で捉えれば、ほぼすべての仕事が問題解決といれるのではないでしょうか。
研修自体もひとつの問題解決ともいえます。
 
しかし、問題もそう簡単には解決できないことがほとんどです。
多くの企業の問題解決研修で現場の問題を見てきて、
挙げられた解決を阻害する要因を列挙してみます。
 
○あるべき姿が明確でない
○現状を正確に把握できていない
○取り扱う問題を定義できない
○解決プロセスが表面的である
○解決策に具体性・実現性がない
○解決に対する主体性が欠如している
 
このような要因が、問題解決の足をひっぱっています。
ただし、これらの要因をすべて排除するには、時間がかかったり、
実際に現場で活用するには、対処すべき観点が多すぎたりします。
 
問題解決において、より確実に成果を上げるためには
「スピード」と「マインド」を高めることを意識することにフォーカスし、
解決に臨むことが重要です。
 
深く原因追求し、的確な解決策を出しても、それが正しいのか、
実行されるかが懸念されます。その懸念点を排除するために
時間がかけても難しいのが現状です。
 
問題解決をスムーズにおこなうためには、
 
○解決策をすぐ決め、すぐやってみるスピード感
○必ず解決しようとするマインド
 
という2点を意識することが非常に大事です。
 
「時間と手間をかけて分析し、熟考した解決策」
「実行結果の検証回数を増やして出てきた解決策」
のどちらが成果が出やすいか、現場における実践で確かめてみましょう。
後者の効果性を確認することができるはずです。