研修において、多くの研修担当者から難しいとよく言われているのは、
内容として勉強にはなるが、なかなか成果に結びつかないという点です。
人材教育とした結果として得られるものは、最終的には成果でありますが、
その過程には段階的な成長が欠かせません。
 
その点をしっかりと抑えておかないと研修の成果の判断が早すぎたり、
継続的な教育ができず、中途半端になってしまう状況が発生します。
研修だけでなく、人材教育では、全体像とプロセスはしっかりと把握できていないと
いけません。その把握のためにも、そもそも人はどう成長していくのかと知っておく必要があります。
 
一般的に成長のプロセスは以下のように整理できます。
 
知らない⇒知っている⇒わかる⇒できる
 
いろんな考え方があると思いますが、基本的にはこれらのプロセスを得て、
人は成長をしていくと説明ができます。
 
そのプロセスに必要とされる行動を加えてみると、
 
知らない⇒学習⇒知っている⇒体験⇒わかる⇒反復⇒できる⇒習慣
 
と考えることができます。
 
この状態と行動を整理した成長プロセスを参考にし、
研修ではどこまで何をどうすればいいのかを設計していくことが必要です。
この点が曖昧なままでしたら、研修の目的を明確にしても効果が見えにくくなりますし、
判断も難しくなります。人材教育全体を企画する場合も同様です。
 
成長は時間がかかりますが、早めることは可能です。
その点を十分に踏まえて、研修企画を進めていきましょう。
  • 仕事において、やりたい、やりたくない、もっとほしいなどといった感情は成果の足を引っ張る。仕事に情熱は必要だが、欲はなくていい。目的に向かって最適な手段を遂行する。これが成果を上げるための基本姿勢である。 #
  • 深く考えることは大切だが、事実と仮説は区別しなければならない。仮説が事実と大きく外れると妄想になりかねない。 #
  • 計画は目標から立てていくのがセオリー。経営計画も戦略やビジョンとの関連性を持って立てるべき。意識していないと、視野が狭く、先へ向かわない現状ベースの計画立案になってしまう。 #
  • 仕事において判断で迷ったら、まずは視点を高めて考えよう。部長だったら、店長だったら、社長だったらどう判断するのか。それでも判断できない場合は、直接相談してみればいい。 #
  • 気づきが少ない、浅いときにはヒントを与えることも必要。内からくる気づきは大切だが、外から与える情報もいい気づきの機会になりえる。すべてを本人任せにすると成長が遅れることもあることを踏まえて、適切な教育手法を考えよう。 #
業務の振り返りを行うためや研修の定着を図るために
フォロー研修を実施することがあります。例えば、新入社員が1年たった後に受ける
新入社員フォロー研修や3年目フォロー研修、研修で学んだスキルの復習のために
実施するビジネススキル系のフォロー研修などがあります。
 
今回は効果的なフォロー研修を実施するためにどのようなポイントを
押さえなければならないかを考えていきましょう。
 
まず、フォロー研修の目的はなんでしょうか。
その主な目的として考えられるのは、
「振り返りを通じて自分の課題を発見し、その対策を考える」
ではないでしょうか。もちろん、学習内容の復習や本来の役割の確認なども
含まれますが、業務の振り返りやスキル習得の検証にせよ課題を解決することが
主なテーマになります。
 
つまり、フォロー研修では、研修内容に応じてしっかりと課題を認識し、
効果的な解決策を見出す必要があるということです。そのためには、
通常の課題解決の流れと同様に
◯事実を把握すること
  (実践内容の確認)
◯あるべき姿やゴールを明確にすること
  (スキルの復習や役割の確認)
◯新たな課題設定と解決策
  (今後のアクションプランの立案)
が最低限必要な内容となります。
 
フォロー研修では、実践の振り返りが含まれますので、
どれくらい実践が困難なのか、具体的に何が問題なのかといった観点で、
体験を通じた深い気付きがあることが大きな効果となります。
 
ただし、実践をしていなければただの復習だけになってしまうので、
特にビジネススキル系のフォロー研修では、効果を高めるために
受講者には現場での実践を十分に促しておくようにしましょう。

本で読んだり、話を聞いて理解するよりも、
研修では体感できる要素が多かったり、じっくり時間をかけますので、
新しいやり方や知識は比較的理解しやすいと思われます。
実際に現場でも出来そうな気になることがあると思います。
しかし、現場で活用してみるとなかなかうまくいかないケースがほとんどです。

以前の記事でも書きましたが、研修はあくまで気づきの場であるということです。
知識の習得とスキルの体得は違います。知識の習得は理解し、わかることであり、
スキルの体得はやってみて、できるようになることです。
この点をごっちゃにして考えると研修の目的が不明確なコンテンツになったり、
過剰な研修効果を期待し、客観的な研修評価ができなくなります。
 
スキル習得を急ぐと、わかることを無意識に優先し、成長に必要な要素十分に把握せずに、
表面的なノウハウだけを捉えて、使える使えないの判断をしてしまうことがあります。
本質的で、重要なものは非常に抽象的であることが多く、深い理解がないと
大切なことをないがしろにしてしまいがちになります。
 
例えば、コミュニケーション研修で相手との信頼関係を構築する手法として、
「相手の話を聞き、興味を示す質問をすること」を学んだとします。
信頼関係を築こうと、一生懸命聞いて、質問してもなかなか効果がでなかった場合、
このノウハウは使えないと判断して、継続的に意識して実践しなくなります。
 
また、研修でも、「この場合はどうすればいいのか」という各論の質問も多いのですが、
それがすべてのケースに応用出来ると思い込むことは非常に危険です。
ビジネススキルで万能なノウハウは基本的に存在しません。ベターな方法があるだけです。
 
必要なことはできるまで実践することであったり、経験を通じて知識も体で感じで
理解することであったりします。どうしても成長を急いでしまうと、すぐに使えるノウハウに
走ってしまうことになります。教育は時間がかかることを十分に認識し、研修やOJTを
設計していきましょう。
 
○継続的実践が必要なこと
○振り返りが必要なこと
○成長に時間がかかること

を十分に認識して、設計し、受講者に対しても伝えていくことが大切です。