研修で学んだことの定着化を図る

 

研修でどれだけ深い気づきがあったり、使えるノウハウを学んでも、

通常時間がたてば忘れてしまいがちです。

研修での効果を無駄にしないために、「現場での定着」をどう図っていくかが、

非常に重要なポイントとなります。

具体的な定着のための施策を今回はいくつかご紹介したいと思います。

 

定着化は、いかに学習したポイントを実践し続けるかといった継続性が重要です。

つまり、継続できる仕組みを受講者自身と組織側からつくりあげることが求められます。

 

<受講者自身がやるべきこと>

○学習ポイントを日々チェックする

  ⇒(例)日報で活用する、ポイントまとめた用紙を手帳に貼るなど

 

○実践した効果を振返る

  ⇒(例)上司など他者に対する報連相による結果や変化の検証など

 

<組織側でやるべきこと>

○定期的に振返りメッセージを発信する

  ⇒(例)受講者対象への振返りメールなど

 

○実践効果を報告してもらう

  ⇒(例)実践レポートの提出、フォロー研修など

 

上記にあげた項目は即効性があるものではありませんが、

このような地道な作業の繰り返しが、現場への定着化につながっていきます。

 

人は活用を意識するだけだと、なかなか継続ができません。

なので、何らかの仕組みを自分や組織に取り込むことが効果の継続性を

持たせるための重要な支えとなります。

 

研修のゴールは能力を高め、仕事でよりよい成果を出すことです。

定着化をテーマにそのゴールに向かってできることを地道に実践していきましょう。

研修の効果をどう考えるか

 ビジネスにおいて、何かにコストをかける際には、当然ですが、

費用対効果を考えます。研修にコストをかけるときも同様です。
費用だけでなく、時間もかけますので、研修をやるからには、
それに見合った効果を期待します。
 
研修後のアンケートで研修の感想、習得度などから効果を検証することも
大切ですが、効果は「現場での変化」を見て考えるべきです。
研修の効果はどのように考えればいいのでしょうか。
 
研修の効果を測定する観点として、
○行動や意識の変化
○問題の解消
○仕事の成果
があげられます。
 
行動や意識の変化の観点で効果測定する場合は
 
「行動の量や質、スピードが具体的にどのように変わったか」
 
問題の解消の観点で効果測定する場合は、
 
「具体的にどんな問題が解消され、どれくらいのスピードで解決されたか」
 
仕事の成果の観点で効果測定する場合は、
 
「具体的にどんな成果が上がり、どれくらいの変化が見られたか」
 
という項目で定量的かつ定性的に検証することが必要です。
 
検証の方法としては、
売上の変化など数値的な分析や
現場へのヒアリング、アンケートなどによる情報収集をして、
総合的に判断します。
 
また、効果が出るにはある程度時間がかかることを考慮し、
半年から1年間くらいの中期的なスパンで効果を検証していくことも
留意しておくことが重要です。
 
研修のその場が良かったということだけで効果を判断するのではなく、
現場でどんな変化、成長を生み出すことができたかという観点で
効果を求めていくことが重要です。また、その効果を高めるために
教育担当からのフォローもしっかりとやっていきましょう。
 

 

わかりやすさにこだわる

 これまでの記事にも書いていますが、研修で多くの知識やノウハウを学び、

身につけたとしても、現場で活用できなかったり、仕事の成果を生み出すことが
できなければ、何も意味がありません。研修で勉強することが目的ではないので、
その点にこだわりを持って企画していかなれければなりません。
 
そこで、非常に重要なキーワードになってくるのが、「わかりやすさ」です。
まだ理解できていないことや新しい価値観を自分に吸収する時には、
多くの思考の時間が必要です。その時間を最小限に抑えるためにも
わかりやすさが効果を発揮します。
 
わかりやすさとはどういうことでしょうか。
 
わかりやすいということは
 
○理解しやすい(解釈的な効果)
○活用しやすい(実用的な効果)
○覚えやすい(記憶的な効果)
○伝えやすい(波及的な効果)
○+すぐに(時間的な効果)
 
という効果が生まれるということです。
このような効果を意識して、文章の表現、ポイントの整理、解説、図式化をして
行くことが必要です。
 
具体的にわかりやすくするためのポイントは
 
○量を減らすこと(文章を短くすること、3~5つに絞ることなど)
○非日常的な単語を使わないこと(横文字、難しい漢字など)
○視覚的に整理すること(図式化、表など)
○ストーリーを持たせること(前後の繋がり、全体像の提示など)
○具体性があること(事例、体験談など)
 
となります。
 
相手視点に立ち、どうやったらわかってもらえるのかを十分に考えながら、
コンテンツを設計していくことを意識してください。
 
 

研修コンテンツの分類

 研修を企画するにあたって、研修の目的や現場に活用できるポイントを押さえることが重要だと
以前の記事でも記載しましたが、具体的なコンテンツのイメージを持っているとより明確な企画ができるようになります。
 
今回は研修のコンテンツについて、どのようなものがあるか整理したいと思います。
研修コンテンツは大きく4つのカテゴリーに分かれます。
 
①知識系コンテンツ
⇒業務遂行やスキルを習得するために必要な知識を習得するもの
 
(例)スキルに関連する知識、業務内容、財務会計、法務、システムなど
 
②スキル系コンテンツ
⇒仕事の質を高めるために必要なスキルを習得するもの
 
(例)ロジカルシンキング、問題解決、コミュニケーション、セールス、コーチング、戦略構築、マーケティングなど
 
③マインド系コンテンツ
⇒自己や組織の意識を高めるために気づきを促すもの
 
(例)モチベーション、キャリアデザイン、リーダーシップなど
 
④課題解決系コンテンツ
⇒現状の仕事の課題解決するために行動を明確にするもの
 
(例)年次の振返り、アクションプラン立案、現場の問題解決など
 
研修プログラムはこれらのコンテンツを組み合わせて設計されます。
例えば、けマネジメント研修では、
 
1.マネジメントとは何か(知識系)
2.どんな管理職になりたいか(マインド系)
3.部下育成のためのコーチング(スキル系)
4.自己のマネジメントにおける課題とアクションプラン(課題解決系)
 
といった形で設計されます。
 
知識だけだと、知ることができるが、現場で活用はできない。
スキルだけだと、やり方がわかるが、体得までできない。
マインドだけだと、意識は高まるが、どうすればいいかわからない。
課題解決だけだと、やることは明確になるが、うまくできない。
 
このようにアンバランスになってしまい、研修効果を下げてしまうことに
なりかねません。
 
研修プログラムの開発では、4つのカテゴリを目的に合わせて、
内容とボリュームを考慮し、最適なバランス形で組み合わせる必要があります。
研修の時間もかぎられますので、目的を十分に整合性を取りながら、
設計をしていきましょう。
 

 

研修後のアクションを明確に

研修では、新しい知識やスキルを身につけ、課題を発見するといった形で
多くの気づきがあります。ただし、研修から時間がたつと、学んだことを忘れてしまったり、
高まったモチベーションが下がったりしてしまいがちです。
 
現場での成果をあげることや個の成長を目的として、研修に投資をしているわけですので、
それでは、研修の意義がなくなることにもなります。
 
そこで、研修効果を継続させ、成果につなげるために
研修の中で必ず決めないといけないのが、アクションを具体化することです。
 
研修の終盤に「アクションプラン」という形でアクションを明確にすることを
コンテンツとして取り組むといいと思います。
 
アクションプランを考える際に必要な観点としては、
 
スキル習得系の研修であれば、

○何を学んだか
○仕事のどこに活かしたいか
○いつまでにスキルを身につけたいか
 
現場の課題解決系の研修であれば
 
○明確になった課題は何か
○具体的な解決として、何をするか
○いつまでに達成したいか
 
といった観点でアクションプランとして、現場でやるべきことを具体化する必要があります。
さらに、一定の期間をおいて、アクションプランが実行できているのかどうかをチェックします。
 
研修の成果をアンケート結果での判断・検証することも必要ですが、
現場でのアクションまで含めて検証し、より良い研修に改善をし続けていくことが
非常に重要です。

 

研修はWHATとHOWとWHYが大事

前回の記事で書いた3つの観点を元にどんな研修を行うかを企画したら、
次は実際に具体的なコンテンツを開発していく段階になります。
今回は研修コンテンツ開発に必要な視点を述べていきたいと思います。
 
結論からいいますと、研修のコンテンツに盛り込むべき基本的な視点は
WHAT、WHY、HOWの3つです。
 
WHAT⇒何が大切なのか、何がポイントなのか(姿勢、考え方)
HOW⇒そのためにどうすればいいか(やり方)
WHY⇒それはなぜか(理由、原因)
 
例えば、コミュニケーションにおいて話を十分に聞くために必要なことを
学習する場合について、WHAT、WHY、HOWの視点から考えると、
 
<WHAT~話を聞く大切なポイント~>
 
相手が話しやすい雰囲気をつくること
  ⇒(WHY)相手が話したいという感情を持たないと十分に話しもらえない
相手が何がいいたいのか、正確に内容を把握すること
  ⇒(WHY)コミュニケーションは相手を理解することが目的
 
<HOW~話の聞き方~>
相手の目を見る
  ⇒(WHY)相手に真剣に聞く姿勢を伝える
適度にあいずちを打つ
  ⇒(WHY)相手に言葉を受け止めたことを伝える
相手の言葉を適度に繰り返す
  ⇒(WHY)相手に内容を理解したことを確認する
 
 
ポイントはWHATは何をするかではなく、何を大切にするかをいうことです。
研修でありがちなのは、こうすればいいというHOWばかりが先行して、
理解したつもりになることがよくあります。
 
大切なポイントを把握していなければ、本質的なことを見逃しこともありますし、
目的を理解しないまま手段に走ってしまうこともあります。
 
ただ、WHATばかりでも実際にどうすればいいのかという疑問点も残ってしまい、
研修内容が消化不良になってしまうことをあります。
 
研修コンテンツの開発では、WHATとHOWとWHYのバランスを考慮し、
研修の目的にあったメッセージや内容を開発し、気づきのきっかけを多く生み出すことを
意識しましょう。
 

研修企画で考慮すべき3つの観点

企業研修では、新しい知識を得たり、トレーニングを通じて何かスキルを身につけたり、

現場の課題解決、行動計画立案などを行ったりします。
研修と一言でいっても、目的や内容、進め方は様々です。
 
研修の担当者の方は、研修企画の際にはどのような観点でコンテンツを考えていますか?
 
自社にとって有効なプログラムや講師を選定、開発することも大切ですが、
企画段階で、効果を最大化にするために、どんな目的でそのために、受講者の方に対して
何を学習してほしいのかを明確にすることが重要です。
 
その研修企画に最低限必要な観点を挙げて考えていきたいと思います。
大きく分けて、現状把握、目的(ゴール)設定、コンテンツの3つ観点になります。
 
<現状把握>
受講者だけでなく、組織の状況も合わせて把握する

(具体的項目)
○現場で具体的に起こっている事実
○経営の状況がどうなっているのか
○受講者の課題は何か

<目的(ゴール)設定>
あるべき姿を明確にし、研修後のイメージを具体化する

(具体的項目)
○会社として、何を求めているのか
○そのためにどんな知識、考え方必要なのか
○現場でどのような成果を出してほしいのか

<コンテンツ>
研修効果を最大化にするために最良の方法を考える

(具体的項目)
○どんなメッセージを伝えたいのか
○どうやって気づき、アウトプットを生み出すのか
○具体的な行動を起こすために何が必要か
 
 
研修企画では、最低限これらの観点で考え、企画に必要な情報を整理していくことから
スタートしていくことが大切です。このような形でまとめることにより、ひとつひとつの研修の質を
高めていくことが可能です。
 
これまで行ったことがある研修企画を振り返ってみて、抜けている観点がないか、
もっと必要な情報がないか、改めて考え、今後の研修効果の向上にぜひ活用してみてください。
 

 

研修もゴール設定が大事

みなさんも、新入社員の頃から言われているかもしれませんが、
「仕事はゴールを明確にして取り組め」とよく言われます。
 
どんな仕事でもゴールに向かって、有効な手段を考え、実行し、検証すると
いったプロセスで進めていくことが基本的なやり方だと思います。
つまり、その最初のプロセスであるゴールが非常に重要なのは当然のことです。
 
研修という仕事も同様です。研修自体のゴールを設定する必要があります。
例えば、よく研修の目的やゴールとして、知識を得ること、スキルを学ぶこと、
改善点を見つけることなどがよくあげられます。
 
研修自体が教育の位置づけですので、そのような形でゴールが決められますが、
研修のゴールを知識やスキル習得ではなく、仕事で成果を出すことにフォーカスすると
研修の効果がより高くなるのではないでしょうか。
 
たとえば、若手社員にコミュニケーション研修を実施する場合の
研修のゴール設定を比べてみましょう。
 
Aの場合とBの場合でしたら、どちらかゴールとして適切でしょうか。
 
<研修のゴールA>
○コミュニケーションの基本的なスキルを身につける
○聞く、話すスキルを身につける
 
<研修のゴールB>
○上司への報告・連絡・相談が円滑にできるようになる
○顧客先でわかりやすい商品説明ができるようになる
 
いかがでしょうか。
 
活用シーンが明確になったほうが研修の中身(コンテンツ)がより有効なものに
なりそうな感じがしませんか。
 
つまり、現場での成果をゴールとして設定された研修は、
「研修での学びを現場で、いつ、どのように活用しするかが明確になっている」
と考えられます。
 
また、研修で学習する内容を身につけることが目的になってしまうと、
抽象的になりうやすく、研修だけがよかったということで、終わってしまうことも
少なくありません。
 
適切な仕事のゴール設定が、有効な手段を生み出し、効果的な結果につながるように、
研修においても、
 
適切な研修のゴール設定が、
有効な研修コンテンツを生み出し、
現場での期待した成果につながる
 
と思います。
 
研修企画をする際には、活用までを意識したゴール設定をもう一度見直してみましょう。